虐待の通報をしたら、解雇された??(第1回コラム)
先月、特別養護老人ホームの職員が『虐待の内部通報をしたことを理由に解雇されたのは不当である』と訴訟を起こした裁判の結果がニュースで報道されていました。裁判の結果として、不当な解雇という主張が認められる形だったようです。
皆さんはこのニュースを見ていたでしょうか?どんな風に感じていたでしょうか?
福祉の仕事に従事する職員は高齢者虐待に限らず様々な虐待対応について研修を受ける機会があります。私自身も受ける機会がありますが、その時に印象に残っている言葉が「通報はすべてを救う」という言葉です。
虐待を受けてしまっている方だけでなく、虐待をしてしまっている方、施設従業員や管理者の方など、早期の通報が虐待が起きる状況をエスカレートさせないことにつながるということだと思います。エスカレートしてしまうと、刑法の処罰の対象になったり、施設が行政処分の対象になったりすることもあります。
通報者については、プライバシーが守られることになっていますが、ときどき今回のようなニュースがあります。
そのたびに、「通報」が大切だとわかっていても『訴えられたりしたらどうしよう…』と、怖いなと感じてしまうこともあると思います。
誰もが虐待に対してアンテナを張り「虐待かもしれない」と感じた時に迷わず相談できる地域に、社会になっていけたらと思います。 地域包括支援センターよろこびでは、様々な機会を通じて地域のみなさまに「高齢者虐待」に関する出前講座を行っています。出前講座は「高齢者虐待」以外にもいろいろなテーマがありますので、お気軽にご相談の上、ご活用いただけたらと思います。